
“失われつつある日本の雰囲気”をテーマにした「失日本」シリーズで知られる音楽家・冥丁が、新作『泉涌(センニュウ)』をリリースする。
冥丁は、大分県別府市の市制100周年記念事業の一環として、温泉文化をテーマにした滞在制作に招かれ、別府の老舗旅館「山田別荘」の蔵に約1週間半滞在。竹瓦温泉、坊主地獄、へびん湯、そして山田別荘の内湯や貸切湯など、別府を象徴する温泉地を訪れ、泉源の音、泥の泡立ち、噴気孔の響き、竹林を渡る風、湯を楽しむ人々の会話などの環境音を丁寧にフィールドレコーディングした。それらを楽曲の土台とし、立ちのぼる湯気や体感した湯加減の塩梅までも音として描き出そうと試みた。その結果生まれた作品『泉涌』は、温泉文化の内なる精神をたどるものであり、そこには水の静けさや土地に宿る記憶、そして代々その地で湯に親しんできた人々への深い敬意が込められている。
マスタリングはStephan Mathieuが担当。録音の細部までこだわった音響的な深みも聴きどころのひとつとなっている。また、本作は「失日本」シリーズの新章「失日本百景」の幕開けを飾る作品でもある。このシリーズでは、現代の生活の中でひっそりと息づく「憧憬の残る場」を探求していく。
さらに今回、制作過程や別府での滞在を記録した冥丁初の写真集も同時リリース。これまで音のみで紡がれてきた冥丁の世界に、視覚という新たな次元が加わる。
リリース情報

タイトル:泉涌(センニュウ)
リリース日:2025年8月8日
レーベル:KITCHEN. LABEL
流通:Inpartmaint Inc. / p*dis
フォーマット①:CD(国内流通盤)
品番:AMIP-0380
本体価格:¥3,300(税込)
フォーマット②:LP(国内流通盤)
品番:AMIP-0381LP
本体価格:¥5,500(税込)
◆180g 重量盤
フォーマット③:デジタル配信
フォーマット④:写真集(輸入BOOK)
品番:KI-047BK
本体価格:オープン価格
バーコード:612461605474
◆サイズ:21×15cm / 104ページ / 重量:約450g / ハードカバー / 限定300冊
冥丁(メイテイ)
日本の文化から徐々に失われつつある、過去の時代の雰囲気を「失日本」と呼び、現代的なサウンドテクニックで日本古来の印象を融合させた私的でコンセプチャルな音楽を生み出す広島在住の作曲家。エレクトロニック、アンビエント、ヒップホップ、エクスペリメンタルを融合させた音楽で、過去と現在の狭間にある音楽芸術を創作している。これまでに「怪談」(Evening Chants)、「小町」(Métron Records)、「古風」(Part Ⅰ,Ⅱ&Ⅲ)(KITCHEN.LABEL)など、独自の音楽テーマとエネルギーを持った画期的な三部作シリーズを海外の様々なレーベルから発表し、冥丁は世界的にも急速に近年のアンビエント・ミュージックの特異点となった。日本の文化と豊かな歴史の持つ多様性を音楽表現とした発信により、The Wire、Pitchforkから高い評価を受け、MUTEK Barcelona 2020、コロナ禍を経てSWEET LOVE SHOWER SPRING 2022、朝霧JAM 2023などの音楽フェスティバルに出演し、ヨーロッパ、シンガポール、台湾などを含む海外ツアーも成功させる。ソロ活動の傍ら、Cartierや資生堂IPSA、MERRELL、Nike Jordan、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEなど世界的なブランドからの依頼を受け、イベントやキャンペーンのためのオリジナル楽曲の制作も担当している。
Instagram:https://www.instagram.com/meitei.japan/