フォトグラファー、西川元基による初写真展「Water Balance」が、3月14日(月)から23日(金)までの会期で、下北沢のreload内にある「GREAT BOOKS」で開催されます。

ファッション写真の領域で活躍する西川が、本展に向け、最初のモチーフとして撮り始めたものは、物質として抽象性をはらむ“水”でした。宇宙から地球を眺めたときに「地球は青かった」と表現されるように、地球の約70%は水でできています。飲料水や雨など身近に存在し、時に、あらゆる生命と関わる何よりもかけがえのないものであり、時に、その強烈な力によって忌み嫌われるものでもあると、西川は話します。「水は、いろいろな感情を持った、ひとつの物としての性質がある」という考えを、慣例に従わないさまざまなアプローチから具現化したのが本展で発表される作品群となります。

さらに、視点を変えると、状況に応じて大きく変質する“水”は、物質自体も拡張性と多様性をもつ存在だと言い換えられます。コンテキストの異なる複数の“水”のモチーフを、フィルムとデジタルの境目を越え、さまざまな技法によって1枚の写真のなかで共存させ、写真そのもの、あるいは、写真表現が拡張していくこと──そして、写真黎明期より現代に向かって進化と拡がりをみせてきた写真表現──を再確認、再発見する“ラボ”のような写真の集合体が本展の根幹にあります。西川自身がそのキャリアの中でワーク上の軸としてきたファッション写真が、それらの作品としなやかにクロスオーバーしていることも確認できます。

また、西川が撮影を手掛けた、Sakas PRのシーズンズビジュアルを収録して手製本されたZINEの展示、および同ZINEを再構築した冊子のローンチも行います。本店は、東京ファッションウィーク2022A/Wの関連イベントとして位置づけられています。

会場: GREAT BOOKS
住所: 〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-19-20 reload内
会期: 2022年3月14日(月)〜3月23日(水)
時間: 12:00〜19:00
休廊: 月曜日

西川元基 Genki Nishikawa

1991年生まれ。2011年渡英。帰国後、田島一成に師事。ファッション誌を中心に広告、TVCM等でも活動。また、ファッションフィルムのディレクションも手掛ける。2020年、MILDに参加。
@genkinishikawa