近年、「ミニマリスト」というワードをよく聞く。ミニマリストとは、最小限のモノだけで生活をするという、大量生産、大量消費の現代において新たに生まれたライフスタイルである。モノはなるべく少なく、小さく。余計な情報を削ぎ落とすことで本当に自分が必要なモノは何かを見極められ、生活の質が高められるのだ。「財布」はそのライフスタイルの中でも最も重要なアイテムと言える。
キャッシュレスが進んだことで現金を持ち歩く機会が減り、ポイントカードやICカードはモバイル端末に集約できる。しかし、急用などで現金が必要な場合は、仮に現金を持ち歩かずともキャッシュカードはなくてはならないし、スマートフォンの電源が落ちてしまえば元も子もない。最小限とはいえ、全く持たないことはできないため、「財布」はなくてはならないアイテムなのだ。
今回紹介するDIGAWEL(ディガウェル)の「Lパース」は、最小限を追求する現代人のトレンドに則ったミニマルな財布である。DIGAWEL(ディガウェル)は、2006年にスタートした日本のファッションブランドで、洋服だけでなく、財布やカードケース、コインケースといった小物類が充実しているのが特徴だ。その中でも、Lパースは毎シーズン定番品としてラインナップしており、祐天寺の直営店に限らず様々なショップで取り扱われている。
最大の魅力は「サイズ感」だ。手のひらほどの財布の中には、カードポケットや小銭入れがあるので、かさばることなく収納できる。厚みがでないスマートなシェイプは、長財布のようにパンツのポケットからはみ出すことがなく、見た目の印象もスマートだ。シンプルな構造ながら最小のサイズにして最大の機能を兼ねたデザインは、ミニマルを体現している。
ボディにはロウを染み込ませたブライドルレザー(牛革)を採用。主に馬具に使われていた素材は、ロウを塗り込むことで革の繊維を引き締め、高い耐久性を実現している。
ジップにはスイスのファスナーメーカーである「riri(リリ)」を使用。務歯(むし)と呼ばれる歯の部分をより強固にした作りにしているため、破損することがほとんどない。アンティークのような見た目ながらも高い強度を保っているのだ。長く使うアイテムだからこそ、耐久性は譲れないポイントだ。
無駄のない構造が理に適ったデザインは、クラシックかつ機能的な素材を使用することで、ひとつのモノを長く使うという至ってシンプルなミニマル思考にぴったりな財布だ。ぜひ自身の目でその価値を見極めていただきたい。