今回紹介するモノは、PROPPER(プロッパー)のカーゴパンツ。その名も「BDU Trouser Button Fly」。雑誌『POPEYE(ポパイ)』で、スタイリストの長谷川昭雄氏がスタイリングで使用されたことをきっかけに、ストリートの間で話題のアイテムだ。人気の理由は雑誌に出たからだけではなく、パンツ自体が「良いモノ」だったからだ。では、「良いモノ」である理由は具体的にどこなのか。その点を深掘りしていく。
PROPPERは、1967年に創業した軍用衣服のメーカー
BDU=BATTLE DRESS UNIFORM(戦闘服)を意味し、アメリカ軍をはじめ、警察や民間軍事会社、消防や救急医療まで多くの顧客をもつ。ミルスペック(アメリカ国防総省が規定する装備品の耐久性能に関する規格)をベースにした縫製仕様であるため、戦闘服としての機能性はもちろん、どんな環境下でも耐え凌げる「タフさ」を兼ね備えている。
素材はコットン100%のリップストップ
リップストップとは、生地が裂けるのを防ぐディテールのこと。格子状に縫い込んだ素材は、万が一破れてしまっても、それ以上に裂ける(rip)のを止める(stop)という効果がある。最近ではナイロンなどを使った合成繊維を使うことがほとんどだが、このパンツはコットン100%だ。使っていくうちに変化するほどよい色褪せ、生地の縮みと縫い目のパッカリング、そして何よりも肌触りの良さが魅力だ。コットン100%ならではの経年変化は、他のブランドでは味わえない。
広めのワタリと、裾に向かって緩やかにテーパードするシルエット
どことなく90年代の雰囲気を醸し出す太めのテーパードは、今のファッショントレンドとリンクする。おすすめのサイズは大きめ。ゆったりしたシャツやニットと合わせるのが「今っぽい」スタイルだ。デニムやスラックスにはないミリタリーアイテム特有の野暮ったさが新鮮に映る。
質実剛健リーズナブル
1万円以下のコストパフォーマンスも魅力だ。タフな生地は、使って洗ってを繰り返すたびにアタリが出て良い質感になる。汚れを気にせずガシガシ使って欲しい。
軍服メーカーが作る「本気の仕様」は、ファッションブランドのサンプリングには出せない独特の雰囲気がある。いつものデニムやスラックスに飽きた方は、ぜひ試してほしい。