2021年4月3日(土)──東京とパリをコレクションの発表拠点としている末安弘明が手掛けるファッションブランドKIDILL(キディル)が、京都・藤井大丸に「KIDILL KYOTO(キディル キョウト)」をオープンいたします。
渋谷・神宮前の「KIDILL ROOM」に続く、国内2店舗目となるフラッグシップショップである「KIDILL KYOTO」は、KIDILLのコレクションラインを中心に、rurumu:(ルルムウ)、bodysong.(ボディソング)、MAD FRUITS(マッド フルーツ)などから厳選したアイテムも揃います。
店内の内装は、末安弘明の「現状に満足せず常に新しいものを生み出し続け、表現者として行動し続ける姿勢」に感銘を受け、「KIDILLというブランドは末安氏の頭の中そのままだと感じた」というコメントを残した、CANVASの金尾彰典氏がディレクションを、設計・インテリアデザインをeveredgeの井上拓馬氏と上野翔太氏が手がけました。
末安の思想を空間として表現するにあたり、1960年代末から70年代初めに起こった、土や石、木といったプリミティブな素材にほとんど手を加えないで仮設展示するアプローチを用いた、若い芸術家による運動 “もの派” が想起されたといいます。
“もの派” は、作品を作家の意図だけに従属させず、広く世界に向かって開くことで、自己と世界とが出合う場にしようとした運動としても知られ、コロナ渦においてユースに夢を持ってもらいたい、その道しるべになりたいという想いによってより一層輝きを増すKIDILLのマインドとも重なり合うものがあったといいます。
こうした当時の芸術運動の中から感じられた、素材をできるだけ “あるがまま” にシンプルかつ露骨に表現する手法が「KIDILL KYOTO」のデザインディレクションに大いに影響を与えました。コンセプトは “RAW” です。
石、ガラス、モルタル、焼き杉と機能性は担保しながら、素材の特性を繊細かつ大胆に表現され、ミニマルな空間に落とし込まれています。一見すると、パンクの精神性が宿るKIDILLのウエアや、グラフィティの躍動とは性質の異なる静謐な空間性だが、メッセージ性の強い服と “あるがまま” に表現された空間が、深層では共鳴し合い、新しい表現を切り開く可能性を秘めています。
内装デザイン クレジット
企画・ディレクション / CANVAS 金尾彰典
設計・インテリアデザイン / everedge 井上拓馬 上野翔太
施工・AUREO
店舗: KIDILL KYOTO
住所: 〒600-8031 京都市下京区寺町通四条下ル貞安前之町605番地
営業時間: 10:30〜20:00
オープン日: 4月3日(土)
About KIDILL
末安弘明(Hiroaki Sueyasu)は、1996年に大村美容ファッション専門学校を卒業した後、2002年に渡英。ヴィンテージウェアを解体し、彼が敬愛するパンクエイジのグラフィックアーティストたちの流儀を想起させるアプローチを用い、独学で服づくりを続ける。帰国後の2014年、カオスの中にある純粋性を意味する造語をブランド名に掲げ、「KIDILL(キディル)」を始動。1990年代に体感したロンドンパンクやハードコアパンク、ポストパンク、グランジなどのカルチャーを軸に、現代の新しい精神を心に宿した不良たちに向けた服を制作する。2014-15年秋冬、東京ファッションウィークでデビューランウェイショーを発表し、2015-16年秋冬コレクションで第8回DHLデザインアワードを受賞。2016年、渋谷・神宮前にフラグショップ「KIDILL ROOM」をオープン。2017年度Tokyo新人デザイナーファッション大賞では、東京都知事賞を受賞。2018年春夏でデニス・モリスとコラボレートして以降、シーラ・ロック、スージー・スー、ピーター・ジョン・ジョゼフ・マーフィー、ジェイミー・リードといった末安が敬愛してやまないアーティストやクリエイター、ジャパンデニムを象徴する「EDWIN」といった、アティチュードを共有できるコラボレーターと手を組み、普遍的な価値を放つものを追求し続けている。2020年春夏からパリでインディペンデントに発表を続け、2021年秋冬はパリ・ファッションウィークの公式スケジュールで発表した。