いま、世界は大きく動き出している時期だと感じています。
昨今では例のウイルスの感染拡大の影響が数年続き、それに加え、戦争や日本の急激な円安などさまざまなエマージェンシーもまた同時に、世界中でおこっており、あくまで感覚的なものではありますが、なんとなく「Xデー」的なものがすぐそこに迫っているような気がしているのです。日々、肌で感じている今の時代を、自分なりのファッションとして表現してみようと試みたのが、今回のコレクションテーマ「The Judgement Day」です。

“The Judgement Day”は、さまざまな宗教が共有する終末論的世界観、最後の審判から着想を得ました。キリスト教の教えに登場する、大天使ミカエルの天秤による最後の審判に特にフォーカスはしていますが、人間が生前の行いを審判され、天国か地獄行きかを決められるという信仰という点では、仏教でも死者の生前の罪を裁く神として閻魔の存在があり、近しい思想が様々な人々の中にあるといえます。

地獄の鬼をグラフィックに取り入れた日本伝統の桐生横振り刺繍による刺繍入りのスーベニアジャケットや、「最後の審判」を表現したグラフィック、スカルフェイス型のボタンがついたワンピース等がテーマを反映させたキーアイテムです。
相反する要素として、フラワー柄のレースでつくったベースボールシャツや、ツイードのオープンカラーJKTなどは、煌びやかな装飾を加え、天国をイメージした要素を落とし込みました。

また、今季でブランド設立5周年を迎えることもあり、DickiesやSchott、GEORGE COXなどのグローバルなブランドとのコラボレーションにも挑戦しています。

スタイルとしては、50年代頃のルードで革新的な少年少女のスタイルを参考に、レーヨンのボウリングシャツにスカルモチーフのスタッズつきのカンカン帽をかぶり、足元はラバーソール。Womensでは、エレガントなシャツワンピースの上に鬼の刺繍が入ったスカジャンをはおるなど、コンダクター流の現代版テディボーイ・テディガールを表現しています。

DESIGNER: SHINTARO NAGAMINE
SHOW DIRECTOR: KENTO TERANAKA (SUN DESIGN INSTITUTE.)
HAIR & MAKEUP: TERUAKI SHINJO (SHISEIDO)
MUSIC: K DUB SHINE
PRODUCTION: GRID INC.
DIRECTOR OF PHOTOGRAPHY: NAOYA ITOKAZU (IHUB INC.)
EDITOR: TOGO OHAMA (IHUB INC.)
PRODUCER: HIROSHI HIGA (IHUB INC.)
VIDEO DIRECTOR: SUNAO MOCHIZUKI
PR: KEITARO NAGASAKA (SAKAS PR)